犯罪日記

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「何度か二人に関係を結ばせた後、あなたは生田美代を4度目にお風呂に入れた際、ネックレスがなくなっていることに気付いた。家の中を探したがネックレスは見つからず、あなたは月影雪…スノーが持ち帰ったと思った。そしてスノーの住所を調べ、家庭環境を知った。そこでもう一つ質問です。あなたはスノーさんがネックレスを持っていると思いながら、なぜスノーさんにネックレスの事を訊くこともせずまた生田美代と関係を結ばせたのですか?」 近藤の顔から笑みが消えた。そして真剣な表情で語り出す。 「あいつが警察に行くことはない。一度あの子と関係を持った後も金欲しさに俺の誘いに乗って家にやってきた。あの子が誘拐されて監禁されている事を知っていたのにまたセックスしに来たんだよ。僕と同罪だろ?例えネックレスを持っていたとしても警察にこの事を話したりできない。多分、スノーは保険のためにネックレスを持ち帰ったんだ。だから機会を見て家に忍び込もうと思ってた。焦ることはないと思ってた……」 そう言った後の近藤の表情は暗かった。 五十嵐はその理由を察した。 「そう思っていた矢先、スノーさんは無理心中を図って亡くなってしまった…そういうことですか?」 五十嵐が訊くと、近藤は力なく頷いた。
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