犯罪日記

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「パトカーがスノーの家に停まっているニュースを家で見てた。あの子もちょうどその時目を覚まして…僕は発狂して…部屋で暴れた。で…あの子の顔を見て苛立ちが抑えられなくなったんだ……。部屋にあったカッターを手に取った。でも、これじゃああの子を殺せない……。僕は台所に行って包丁を手に取り、二階へ戻った。あの子は叫び声を上げたけど、僕は気にしなかった。包丁を握りしめて、あの子の頭上に振り上げたんだ。そしたら彼女…急に呼吸を荒くして苦しみ始めたんだ」 生田美代の死因は心臓麻痺による死亡。ショック死の可能性があった。おそらく生田美代はこれまで精神的に追い詰められてきた負担と、近藤に殺害されるかもしれない恐怖から心臓麻痺を起こしたのだろう。しかし、近藤は苦しんでいる彼女を助けようとはしなかった。 「彼女をそのまま放置したんですか?救急車を呼ぼうとも思わなかった?」 五十嵐が訊いた。 「そうだよ。だって…殺すつもりで包丁を握ったんだ。勝手に死んでくれるならこんなに楽なことはないじゃん」 五十嵐はその言葉を聞いた後、生田美代の写真を近藤の前からそっと自分の方へ引き寄せた。 「あなたは死んでしまった生田美代の遺体を山の中へ捨てた。誘拐した当時のように軽くメイクをし、髪を結んで服を着せて……。それから数日してからあなたはスノーさんの自宅に侵入した。そうですね?」 近藤はコクリと頷いた。
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