犯罪日記

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「でも実際には警察が持っていた。スノーさんの友達があのネックレスは彼女のものではないと断言したからです」 近藤は眉間にしわを寄せ、五十嵐を見た。 「想定外でしたよ。まさか警察がネックレスの存在を隠していたなんて」 舌打ちをし、口唇を噛みながら俯く。 五十嵐は身を乗り出し、机の上に並んだ時任尚と野島優子の写真を近藤の目の前に突き出した。 「警察がネックレスの存在に気付いていないと思い、あなたは次のターゲットを狙った。二人目の被害者、時任尚です。彼女を生田美代同様、薬を使って連れ去り、半地下の倉庫に監禁した。それはどうしてですか?」 近藤は深呼吸すると、五十嵐が差し出した写真を見ながら話し始めた。 「24時間監視するのは無理がある。そう思った。それに、あの子が死んだ時点で次の子も死んでもいいと思うようになった。どうせ警察は証拠がなければ僕を逮捕することはできない。っていうか…僕にたどり着けないだろうとも思った。だから衰弱させる方法を選んだんだ。幸いにもうちには秋に販売する用のストーブの在庫がたくさんあったしね。女の子一人じゃあの量のストーブを移動させるなんて無理だ。そもそも、あんな狭い空間じゃ何もできないさ。それにあの倉庫は厳重に鍵をかけて逃げ出せないようにしてある。脱獄でもする覚悟なら逃げだせるかもしれないけどね」
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