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五十嵐は怒りで頭が痛くなるのを感じながら一度ぎゅっと目を瞑った。そして深呼吸をする。
目を開けると改めて近藤を見た。
「彼女たちには食事を与えていたんですか?」
「いや。最初の一週間は水以外一切与えてなかった。いろいろ調べたんだよ。人間は食事も水も与えられなかったら子供なら一週間、大人なら二週間で死ぬって。死なれたら意味がない。だから水は与えた。衰弱するまで段ボール一箱分の水をね。だけど彼女たちはなかなか衰弱しなかった。一週間経っても自力で立ち上がったりしてたしね。だから衰弱するまでしばらく様子を見たよ」
「時任尚を最初に誘拐して、その後に野島優子を誘拐した。野島優子が誘拐されたときにはすでに時任尚は衰弱していたと聞いています」
「そうだねぇ…だいぶ時間を空けてから次の子を誘拐してきたから。二人で協力して脱出計画を練られたらこっちの方がやられる可能性もある。だから別々の時期に誘拐したんだ」
「では…一番重要な話をしましょうか」
五十嵐は椅子に座り直し、二人の写真を机に並べた。
「彼女たち二人を誘拐して何をさせるつもりだったんですか?」
近藤はその質問を聞くとにやけた笑みを浮かべた。
「決まってるでしょ。僕の欲望を満たしてもらおうと思ってたんだ。二人でイチャイチャしてもらうのが僕の目的だった」
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