犯罪日記

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「自分で立ち上がることもできない少女たちに何ができるというんですか?あなたの欲望を満たせると思いましたか?」 近藤は口唇を尖らせて面白くなさそうな顔をする。 「それは想定外だったんだよなぁ。逃げられなくするのが目的だったけど、そこが計算ミスだったんだ。彼女たちは僕がいなきゃ何もできなくなってしまった。ほんと…計算ミスだよ。だけど、スノーのように金で買った女は信用できない。最後の最後であいつは僕の計画をダメにしたんだ。警察に目を付けられ、監視される日々を送らなきゃいけなくなった。挙句の果てにこのザマだ。全てあの女のせいだ!」 近藤がまた机を叩くと、五十嵐が大きな声を上げた。 「いい加減にしろ!!お前は自分が何をやったのか分かってんのか!?これは犯罪なんだぞ?未成年の少女を三人も誘拐し、売春行為まで行った。その上少女たちに性行為を強要したんだ。挙句、一人を殺害し、二人を殺し掛けた……。お前はどう見たって猟奇殺人犯なんだよ!!」 近藤は目を大きく見開いて五十嵐を見た。 「りょ…うき…殺人犯?」 そして近藤は思いがけず笑い始めた。 「マジか……。僕、猟奇殺人犯か……。すごいなぁ。テレビでしか見たことなかったからなぁ。ねえ、これってニュースにもなるの?僕、テレビに出る?」 近藤は笑顔のまま五十嵐にそう訊いた。 五十嵐はため息を吐き、首を傾げながら目を瞑った。
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