雨催い

2

平日の夜は帰りが遅く、週末は家にいる。
そんな生活がその後もずっと続いた。

最初の頃こそ何でこんなに帰りが遅いのか気になって、夫の鞄や財布をチェックしたり、スマホを見ようとした。

でも、この頃には夫も過去の体験から学んだのかスマホにロックをかけるようになった。
そのことが余計に私を不安にさせた。

財布にはいつもレシートがない。
こまめに捨てているのだろう。
鞄の中にも特に怪しいものは見つけられなかった。　
証拠らしい証拠は1つも出てこない。

もしかしたら、本当に夫が言う通り仕事で遅くなってるだけなのかもしれない。

でも…

私の女の勘というアンテナが、ビンビンと不穏な電波を受信している。

私は、眠れなくなった。
子供達と一緒に布団に入っても、夫が帰ってくるまで眠りにつくことができない。
朝まで帰ってこなければ、朝まで眠れない。
そんな日々がずっと続いた。

私は寝不足と夫への不信感で、いつもイライラするようになった。
子供達に理不尽に当たり散らして、夫にも全然優しくできない。

家の中は滅茶苦茶になった。