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その後、一度だけ夫婦で話し合いの場を設けた。
私があまりにも滅茶苦茶になりすぎて、さすがに子供達が不憫だった。
でも、夫はいくら問い詰めても毎日毎日こんなに遅くなる理由をハッキリは言わなかった。
さすがに毎日仕事というわけではない。
会社の人達と飲みに行ったり遊びに行ったりすることもある。
でもやましいことは一切ないと。
そんな夫の言葉を、私は全く信じられなかった。
信じられなかったけど、もうそれ以上問い詰めることをやめた。
何故か突然、もういいやと思ってしまったのだ。
どこかの糸がプツンと切れたような気がした。
「分かった。もういい。」
その言葉だけを残し、私は子供達が寝る部屋に行った。
子供達の寝顔を見ていたら、自然と涙が出てきた。
ごめんね。
ママがこんなんで、本当にごめんね。
もう、こんなママやめるから。
あなた達だけのママになるから。
そう子供達の寝顔に誓った。
私の中で、夫の存在が消えた夜だった。
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