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長男の湊が小学4年生のとき、突然バスケがやりたいと言い出した。 仲の良い友達がバスケのチームに入ることになって、一緒に始めないかと誘われたのがきっかけだった。 スポーツのクラブチームに入ると親は色々大変だという噂は聞いたことがあったけど、この頃の私は仕事をしていなくて専業主婦だったから時間だけは有り余っていたし、夫の存在を自分の中から消していたために心の中にも隙間が生まれていて、なんでもいいからその隙間を埋めるものが欲しかった。 二つ返事で湊の入会を決めた。 この、湊のバスケチームへの入会が、今後の私の運命を大きく変えることになることに、このときの私はまだ知らない。
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