雨催い

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夫とは、20歳のときに出会った。

私は大学生で、居酒屋でアルバイをしていた。
その店に、社員として入ってきたのが夫だった。

最初は何とも思っていなかった。
そのときは他に付き合っている人がいたし、全くタイプではなかったから。

それでも人間何があるか分からない。

その頃付き合っていた彼氏はとんだ浮気者で、何度も泣かされていた。
それでも好きで別れられず、ズルズルと付き合いを続けていた。

彼に執着していたのは私の方で、彼は私になんてきっと興味がなかった。

私が手を離せば、簡単に終わる恋だった。

それでもしがみついて、必死で彼の後を追っていた。

そんな日々に疲れ果てていた。

そんなとき出会ったのが夫だった。

誰でもよかったわけじゃない。
でも、誰でもよかったのかもしれない。

疲れ果てていた私を、救い出してくれる人なら。

そんな感じで始まった、平凡な恋だった。