織姫と彦星の続き

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織姫と彦星の続き

むかしむかし、天の川の神様の娘が機織りをしていたころ。牛飼いの男と仲良くなって、二人とも仕事をしなくなってしまったので神様に大変怒られて1年に一回しか会えなくなったっていう七夕の話を知っているかい?うん、そうそう。織姫と彦星の話だよ。短冊を書いたことがある?そうかい、あれはササに吊るすとキレイだね。あのあとの話があるんだよ。 1年に一回しか会えなかったけど、二人には子供がいた。でも天の川の両側に母と父がいるので、1年に一回会う時に1年ずつお父さんのところに行ったりお母さんのところに行ったりしていたんだよ。 おかあさんのところにいるときには機織りを習い、おとうさんのところにいるときは牛飼いのまねごとをして過ごしていた。 おとうさんの彦星が一休みしているときも、牛を洗ってやったり背中にのったり、牛と遊んでいた。牛ものんびりとしっぽを振って近くにくる虫をおいはらったり、草を食べたりして、毎日そんな風に暮らしていた。 ある時、子供が牛の背中に乗っていた時だった。お父さんの彦星は、飼っている牛の一頭が遠くに行ってしまったので連れ戻しに行っていた。 おとうさんが牛を探しに行くのを見送っていると急に、牛が耳をパタパタさせ始めて首を振ったり足で土を蹴り始めた。牛の周りを飛んでいたアブが耳の中に入ってしまったらしい。アッと思う間もなく、牛は暴れだして背中にしがみついているのがやっと。 彦星が、ようやく牛を連れ戻してきたときには子供を乗せた牛は天の川の中にいて、子供の姿は見えなかった。彦星が慌てて走って天の川についた時には、牛の姿も見えなくなってしまっていた。 彦星は必死で天の川の岸辺を走って子供を探し回りましたが、どこにも居ません。 「ああ、どうしたらいいんだ。」 岸辺に座り込んでおいおいと泣いていると、牛たちも集まってきて心配そうに彦星のそばにいるのでした。
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