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天への帰り道
大きな影がバサバサっという音と一緒に近くに来た時、カヤは怖くてたまらなかった。でもその影には、ぽっちりと明かりがついていて明かりに照らされた牛がみえた。
「牛、私を迎えに来てくれたの?」
「ああ、カヤ様。よかった。ご無事ですね。」
「ええ、大丈夫。」
そういって、涙をこすった顔は泥で汚れていた。
「牛も小さくなっちゃったのね。」
「え、ええ。まあ、そうですね。」
「さあさあ、話は後だ。この水晶のひもにつかまって背中に乗ってくれ。」
「あの、えっと。どちらさま・・・。」
「神様のお使いガラスだよ。天に戻してやるから早くしな。」
「は、はい。よろしくお願いします。」
そのあとは蛍を蛍池まで送ってやってから、島の神様のところに戻ると海には綺麗な道が天までつながっていた。海の神様に頼んで、お月様まで行ける道を作ってもらったのだった。
「お前さんたち、あの道を通ってお月様に向かって行けば天に帰れるからな。もう落ちてこんように気をつけるんだよ。」
島の神様に優しく頭をなでられて、カヤも牛も元の大きさに戻って満月の道を歩いて、天に戻っていった。
もちろん織姫と彦星は、子供が帰ってきて涙を流して喜んだ。
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