来訪

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来訪

「雨」 「ほんと?一平、騙してない?今はすごいお天気だよ」 私が瓶の中の苺酵母に見とれていると、一平から着信があった。 「ほんとだってば。雨雲レーダーあてになる。ちょっと見てみてよ。すっごい雨雲来てるから。もうすぐ雨になる。やっぱり梅雨だね」 「そうかあ。植物園どうする?」 「由紀のとこ、行っていいかな?」 「あ。それなら私行くよ、そっち。昨日仕事で疲れてるでしょ」 「それは由紀も一緒だよね。いいよ、俺そっち行く。大丈夫?」 「大丈夫。私テンション上がってきたよ。雨なのに」 「それじゃお邪魔します。お昼一緒に食べよう。何か買ってくる」 「それはいらない。用意してあるから」 「さすが」 「へへ。お楽しみに」 一平は26歳、私は24歳。 お互い一人暮らしなのに、大抵外で会う。 たまにこんな風にお互いの部屋を訪ねることはあるけど、夜早い時間に帰る。 もう付き合って2年。 いい大人がちょっとプラトニックラブにもほどがあるね。 まあ、お互い童顔ではた目には高校生カップルに見えちゃう二人だから奥手なのかもね。 入りたいお店に入れてもらえなくて困っちゃったこともあったな。
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