花と緑に包まれた彼女

澪 1

都内のオフィス街の高層ビル。業者用の出入り口から入り受付して業者用のエレベーターで28階まで行く。

「失礼します。フラワーショップMioです。交換に参りました」

台車に乗せた植物を交換していく。今日は半年に一度半分を入れ替える日で、フロアには大小20個ほど置いてあり半分の10個ほどを入れ替える。結構重労働である。いつもは父さんがしているが年老いてきたのできっと肉体的にもきついだろ。

最後の入れ替えが終わり他の物のメンテをする。いつも哲おじさんが座っている社長席を見ると社員さんと話をしている。私が見ているのに気づいたらしく

「おう、澪！」
大声で呼ばないで恥ずかしいから。

近づいて行き頼まれていたDVDを渡した。
「これ父さんから預かってきました」

「おう、サンキュー、今週も勝負だぞ！もう負けんぞ」
「土曜はダメです、レストランの依頼があるから」
「じゃあ日曜は？」
「朝はイヤです昼からにしてください」
「老人は朝が早いんじゃ」
「じゃあ散歩でもしながらきてください。あ、これ伝票社長でもいいのかな？」