SIDE: トニー・グリーン

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SIDE: トニー・グリーン

 ここはどこ? ぼく、どうしてこんなところにいるの? たしか、さっきまでお家で寝てたと思うんだけど、寝ぼけたままお外に出ちゃったのかな。  少し歩くと、目の前にドアがある。ドアの横には、ランダムに数字が並んだテンキーがある。このドアの鍵だよね。ぼくは何故(なぜ)か頭に浮かんだ数字を入れてみる……ガチャ……開いた。  ぼくは、廊下のようなところをまっすぐに歩く。また、大きなドアがあって、その横にまた、テンキーボタンがある。さっきとは違う数字が頭に浮かび、それを押すと、あっ開いた。  入るとそこは大きな部屋だった。視線はすぐに真正面の大きな窓に釘付けになった。暗闇の中に散りばめられた宝石……いや、違う。前に本で見た星空だ。今の地球では、こんな綺麗な星空は見えない。  そして、すぐ横の壁にはモニターが並んでいて……そう、ここは、マンガで見た宇宙船のコクピットだ。 「おい、坊主(ぼうず)、君は誰? ここで何してる?」  顔を上げると見たことないおじさんがぼくを見ている。 「ぼくは、トニー・グリーン。6歳。起きて寝ぼけてここまで来ちゃった」 「そうか、俺はチャイコフスキー。よろしく」  そう言うと、おじさんは急に泣きだした……?
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