*ケン* 夢見せて

4/5

1231人が本棚に入れています
本棚に追加
/257ページ
 両親がホテルに帰って、ホッとした。 なんとか説明は出来て、ちゃんと付き合う許可が取れた。 もじゃるまるの夜の散歩に一緒にでて、花が笑っている。 「パパの言ってたの、面白いね」 「ん?」 「けんちゃんちの男子、うちの女子に弱いんだって」 あー。 本当に、変な縁だ。 「うん。父さん、京子さんにべた惚れだし。俺は花に、まぁ、……べた惚れだな」 「ふふっ。逆もそうじゃんね。ママ、パパの事、好きだし。花、けんちゃんの事、大好き」 そう言うと、腕にぎゅと抱きつかれた。 そのまま腕を組んで、家に帰る。 二人でゆっくり家に向かいながら、わけのわからない勇気と幸福感が湧いてきた。 「花。俺、なんかすげえ、幸せになりそう」 「え?花も幸せ。けんちゃんといると、花は幸せ」 ははは。 二人して、単純。
/257ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1231人が本棚に入れています
本棚に追加