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「いきなりで、悪いけど、一応、兄弟になるわけだから、宜しくな」
そう紹介されたのが、14歳も年下の天然ちゃん、花だった。中学まで海外育ち、バイリンガルで、人懐こい。
その会食で、ちょうどもうすぐ就職活動の始まりだという話をした。聞けばいくつか受ける会社に俺の会社も入っていた。その時は、この天然具合でウチに受かるか?と思ったら、なんと、一年後、異様なくらいの記憶力を武器に受付嬢になっていた。
でも、それだけ。
会社の人事部の一部位しか、俺と花の関係を知らないし、営業部で忙しい俺と受付けの花は会社でも別に話す機会もない。
再婚した両親はオーストラリアへ赴任しているけれど、花はこの間まで、モジャとシェアハウスに住んでいて、妹といっても、関係性は薄かった。
年末年始に両親が帰って来たら、食事会に呼ばれる。
そのくらいの関係性だった。
ついこの間までは。
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