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翌日の日曜日、ゴルフに出かけている間に、花から一ノ瀬さんがモジャと遊ぶために家に来ていると連絡があった。
『了解』
お互いの友達は、連絡すれば連れてきていいルールにしている。
犬の散歩でもしながら、女の子同士でおしゃべりしているんだろう。
あの金曜日、さっさと帰ってしまったらしく、ジェイクが焦っていたけど、仲直りできたんだろうか。
昼過ぎに家に帰ると、花と一ノ瀬さんがモジャの散歩を終えたらしく、家にいた。
「お邪魔しています」
同僚を家で見るのは、不思議だ。
というか、向こうの方が、俺が家にいるのを不思議がっていた。
確かに。
いつも部長会議で今月の売り上げ目標だとか、達成率だとか、そんなことばかり言ってるわけだし。
「けんちゃん、お腹空いてる?」
最近、花がはまっていて、よく見かける巻きずしを食べながら、モジャの話とかを中心に、世間話をした。
一ノ瀬さんも実家に犬がいるとか、そういう話。
花がにこにこして、オーストリアから母が送ってきたビスケットとかを出してお茶にしている。
女の子二人で、たわいもない世間話して、にこにこしているのは、見ていてなごむ。
もし、大泣きしてたり、愚痴合戦みたいになってたら、どうしようかと思ったけど、案外穏やかでオジサンの俺はほっとした。
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