怪奇

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怪奇

 翌日、起きてからカメラの映像を確認する。そこには予想外の映像が映っていた。カメラに映っているのは、他の誰でもなく俺自身であった。  しかもカメラに映っている自分は、身に覚えのない行動をしている。しばらく部屋の中で行動をした後に、カメラから姿を消した。そのまましばらくして、カメラの映像が途切れた。  そこまで長時間カメラが回っていただろうかと、カメラの日時を確認して思わず2度見してしまった。  日付が自分で思っているより、1日進んでいる。自分の携帯の日付も確認をしてみるが、カメラが間違っている訳ではない。  ここにきて、俺が丸一日眠っていたことが発覚した。正確には眠っているのではなく、謎の行動をしていたのだが。  しばらくはまともな時間感覚で生活をしていなかったため、丸一日時間が経過していることに気がつかなかった。  とにかく俺は昨日1日記憶がなく、謎の行動をしていたことになる。この様子だと数日前の筋肉痛と謎の洋服も、無意識のうちに行動していたのかもしれない。  何をしていたか確認しようと財布を見てみると、中には美術館の入場券が入っていた。  余計に混乱する。そもそも俺は美術館なんて行かない。それなのに無意識の俺は独りでに美術館に足を運んでいる。  意味が分からないが、これが事実である。病院に行った方がいいのかと考えたがやめておく。こんなこと説明しても、納得してくれる気がしない。  それに外に出るのも嫌だったので、結局症状が落ち着くまでそのままにすることにした。
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