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「今回だけじゃなくて前も「イケメン」というだけで付き合って二股された挙句にしかもあんたが浮気相手だったでしょうが!
その前も・・顔だけで判断するのはやめなさい!」
桃花は最初はシュンとして聞いていたが・・・
「直哉君や顔以外でどこを見たらよいかわかりません!だって今回は性格も経歴もチェックしたんだよ!なのになのに。」
「だから、基本顔から入るからでしょうが!結婚相談所も駄目だって言ったでしょう?詐欺師の温床なんだからあんななんか鍋とネギとデザートまでもって行くようなもんよ!単純ばか!!」
直哉は桃花の両頬を両手で挟んで言い聞かせるように言うがどうやら拗ねた上に涙目になっている。
「どうしたらいいの?会社は出会いがあってもうちの場合は妻帯者か恋人がいるし、フリーの男の子なんて何処にいるのよ!」
客観的にみて桃花は可愛い系女子でモテないことはないと直哉は思っているがいい男の基準が高校の失恋を境に壊れたのか最悪な男ばかり選ぶという呪われた奇跡をおこすからここまで続くと流石に放置するのは可愛そうだと思う。
「ちゃんと調査済の婚活パーティーもあるのよ、あんたが行った結婚相談所は調査していないのよ。個人の責任って言う事で会社は
責任を負わない契約していたでしょ?」
そうだっけと間抜けた顔をして顔を上げる桃花に涙を拭きなさいと直哉は言いながらティッシュの箱を渡す。
「そうよ。契約書には目を通しなさいって言うでしょ?」
どうせ目も通していないのは知ってる。この子は疑いを持たない子だから仕方ないけど・・このままじゃまた同じ事を繰り返す確率が非常に高い。
「それにね直ちゃん部屋を今月末で出ないといけなくて・・あと一週間しかないの。」
「一週間?預金はゼロなんでしょう?まさか全額普通預金に?」
桃花は無言でもうしわけなさそうに頷いた。
何度も口座は分けなさいと言ったのにこの子は・・宿なし金なしになるなんて情けないと思いながら見ているとそんな目で見ないで~と桃花は両手で顔を隠すが。
「馬鹿を野放しにした私にも責任があるからいいわここに住みなさい。」
直哉の部屋は3LDKでかなり広い。
「いいの?」
「いいわよ、部屋は空いてるからとにかく警察に被害届だしに行くわよ。」
直哉はキッチリとした服を着て一緒に警察に行くと言ってくれた。
ちょっと待ってなさいと言われて桃花が待つこと15分で直哉はエリートビジネスマンに変身してきた。
「直ちゃんって相変わらずイケメンよね~乙女なのに。」
「フン!行くわよ。」
「ハーイ。」
直哉が前を歩き桃花は少し後ろを歩いた、警察署までは直哉の車で向かう警察署に到着して直哉は迷わず捜査二課を目指して歩く。
「雑賀 直哉と申しますが刑事の服部さんはいらっしゃいますか?」
「はいお待ちください。服部さーんお客様ですよ。」
そう大きな声で女性警官が呼ぶと奥の部屋から優し気な男性が出てきた。
「あれ直哉?どうしたんだ、また可愛い女の子連れているなんて珍しい。」
「ご無沙汰しています。少しご相談したい事がありまして。」
「うん、訳アリか奥にどうぞ。」
服部さんは刑事二課の警部さんでとても優しい人だった。
責めるような言葉を一言も言わずに話を聞いてくれたしスマホにあるはずの彼と一緒に撮影した写真は消されていたことから相手はプロで常習犯かもしれないと教えてくれた。
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