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第七章 つつじさんと未来さん~独白
私と未来は、同い年で家も近所。気が合ったこともあり、小さい頃から仲良くしていました。
小学校、中学校ともに同じでよく遊んでいました。家は仙台市内の海岸にほど近いところでした。
そして、申し合わせた訳では無いのですが、同じ高校に進学し、ともに文学部に所属。気がつけば高校3年生になっていました。
この頃、私は児童文学の新人コンテストで佳作に入選し、担当がついていました。
しかし私たちは、同じオンラインゲームをしていて知り合った大学生、優一さんと仲良くしていて、どちらかと言えばそちらに集中していました。
彼は大学卒業を間近に控え、4月から仙台市で教員になる予定でした。
私たちと彼は、歳が離れたお友達の感覚でいました。3人で一緒にログインして、狩りに行ったりアイテム集めをしている時間が、とても楽しかったのを覚えています。
また、休みの日にみんなでカラオケに行ったりもしました。お兄ちゃんが出来たみたいで、3人ともとても楽しそうにしていました。
さて、2009年12月のこと。
受験も近づき、一旦ゲームをやめようかと思ってた頃、彼からこんな話を聞きました。
「先生になるのをあきらめて、北海道にある親戚のお店を継がないといけないかも知れない」
私はショックでした。未来もそうだったと思います。もしそうなれば私たちは離れ離れになります。ゲームでは会えるかも知れませんが、リアルで会うのは難しくなってしまいます。
その時、胸がぎゅっと締め付けられるような思いがしたことを覚えています。
そのあと、ゲームも上の空になってミスを連発、受験生だと言うのに勉強は手につかず、模試の成績は急降下。成績にはあまり口出ししないはずの親までが色々心配しだし、もちろん私も焦りました。でも空回りばかりでどうにもなりません。
そこで、思い切って未来に相談してみました。彼女は数分考えたのち、
「それは、恋してるからだと思うな。思い切って告白しちゃえばいいんじゃない? このままもやもやするよりはさ」
「ええっ、それって、もし……」
「細かいことはいいから頑張りな。悶々としているよりはマシじゃないの?」
悶々としているよりは……、確かに勉強に集中出来ないよりは良いと思い、日曜日に彼の家に出向き、思い切って告白しました。
告白の結果は、なんとOK。
それを未来に話すと、喜んでくれました。
その後、彼は北海道に行くことが正式に決まりました。私は迷いましたが、これも未来に押されて、進学をあきらめて一緒に行こうと思い立ちました。
優一さんは両親がすでに亡く、また、私の実家に出入りしていたこともあり、二人で私の親を説得した結果、北海道行きを認めてくれたので、学校を卒業した後、一緒に北海道で同棲することになりました。
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