始まりの

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その声はいつも私を気遣ってくれた。 私の愚痴を聞いてくれたり、時にはアドバイスをくれる。 保育園で友達と喧嘩した事を話すと詳しく聞いてくれたた後、 (それは君が悪い)と叱る事もあった。 卒園を控えた1月、 保育園に少し我が儘な男の子が入ってきた。 何時もはニコニコと笑顔いっぱいなのだが、何かの拍子にいきなり怒リ出したり、他の子が使ってる玩具を横取りし先生がいくら言っても泣いて離さなかったり、一緒に遊んでいても、いつの間にか居なくなって大騒ぎになったり。 最初は仲良くしていた者も時期にその子から離れていった。 でも、僕はなんとなくその子が気になる。 かといって自分から手を差しのべる勇気もなかった。 夜になった。 私は[友達]にその子の話をす。 黙って聞いていた声は、 (君はその子と友達になりたいの?) と聞いた。 わからないと答えた僕に声は言った。 (一つ昔の話を聞くかい?) 私が頷くと声は話し出す。
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