紙の本

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「なー!!まだつかなねぇのかよ~もう疲れたよ」 「も~!大丈夫?優希ってほんと体力ないよね」 サラサラと葉っぱ同士が風で擦れ合い、心地よい音がする。樹木の壁で囲まれ、決して整備されたとは言えないその一本道を2人は歩いていた。 「はぁっ~、はぁっ〜〜!!しんどっ!!」 「ほら~頑張れ~!!もう少しだよ!」 くっそ…花屋の息子体力ありすぎだろっ! 上から見下ろす春に嫌味を思いながら優希は春の後を追った。 2人が向かっているのは山の中にいる小さな一軒家。そこに住む人物は2人からハルさんと呼ばれている。 ハルさんは物知りで性格も穏やか。色々な事を知っているが付近のの住人からはけむたがれ、嫌われていた。 「よっーし!ついたー!!」 「あ~!!遠すぎ!!!」 額に汗をかいた2人が登りきった開放感に浸っていると敷地の奥から夕焼けのように赤い瞳にまる雪のような透き通った肌の女性が出てきた。 「春…。優希…。」 「あぁ!良かった!ハルさん!!」 春が小走りで彼女の元へ近づくと優希も腰を抑えながら春の後を追った。 「どうしたの??久しぶりじゃない」 「そうだね!いや、実はさハルさんに聞きたいことがあってさ」 「聞きたいこと?」
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