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「ちょうど昨日作ったクッキーがあるから良かったら食べて」
自宅の中に通された2人は爽やかな風が通る茶の前と案内された。
雑音もなく、程よい明るさでとても心地が良い。植物に囲まれたここはまるで本の中みたいで2人もここに来た時には嫌なことは全て忘れられた。
「わぁ~!美味そう~!!いただきます!」
優希が出されたクッキーを1つ、口の中に入れた。中に入った瞬間、優しい甘さが口の中全体に広がる。
「う~~ん!相変わらず美味しいな。ハルさんのお菓子は」
「優希は毎回そう言ってくれるから作りがいがあるよ」
ハルは透明なガラスのコップに麦茶を入れ、美味しそうに食べる優希を微笑ましそうに見ている。
人付き合いが苦手な優希だがハルとは気が合うのかとても懐いている。ただ、体力が無いため、ここに来るのが少し億劫になっていた。
春自身も面倒見がいい性格が影響し、高校に入ってから色々な頼まれごとを引き受け、なかなかここには来れないでいた。
「……それで、この本のことだけど」
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