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その3
時は流れて…
6月最後の金曜日の朝の出勤前のことであった。
かあさんは、黒のフィットネスブラの上から黒のTシャツを着て、その上から白のブラウスをはおっていた。
下は、オフホワイトの軽装なスカートを着ていた。
スカートは、かあさんが通販で購入したファッションである。
かあさんは、むじゃきな表情でぼくに呼びかけた。
「たっくん、どう?」
「(不安げな声で…)このスカートは…」
「通販で買ったスカートよ…かわいいでしょ…」
「でも。」
「どうしたのよ?」
かあさんが着ているスカートが透けていたのを見たぼくは、ものすごく不安な表情を浮かべながら言うた。
「すごく不安だよ…すごく心配なんだよぅ~」
かあさんは、気楽な声でぼくに言うた。
「だいじょうぶよ…スカートの下にレギンスはいているから、下着はみえないのよ…たっくん、心配しすぎよ。」
たしかに…
下は、レギンスをはいているけど…
ぼくは、非常に強い不安を抱えたまま出勤した。
ああ…
心配だ…
ホンマに心配だ…
ぼくが会社に着いた時であった。
ぼくは、部長に呼び出された。
ぼくは部長から『誤字脱字をした箇所かたくさんみつかったぞ…チェックした箇所を辞書で調べて、報告書を最初から全部直せ!!』と言われた。
この日は、一日中報告書を作り直す仕事をした。
さて、その頃であった。
かあさんは、パン屋の製造場でいつも通りにお仕事をしていた。
ぼくがより不安な表情を浮かべながら言うた言葉が気になったので、思う通りに仕事ができなかった。
やっぱり、あのスカートはよくなかったみたい…
その時であった。
「ああ…」
かあさんは、店に運ぶクリームパンを落とした。
床は、クリームでぐちゃぐちゃに汚れた。
「友泉ちゃん、大丈夫?」
ご主人さまは、具合の悪い表情を浮かべているかあさんを心配した。
夕方4時半頃、ぼくは最初から作り直した報告書を部長に提出した。
「ごくろうさん。」
「ありがとうございました。」
そして、定時になった。
ぼくは、タクシーに乗ってかあさんがいるパン屋へ向かった。
この日は、気持ちがひどく動揺していた。
ぼくがパン屋に着いた時であった。
『友泉ちゃんは、早引きしたあとY公園へ行った。』とご主人から聞いたぼくは、大急ぎでY公園へ向かった。
事件は、そのY公園で発生した。
この時、空はどす黒い雲に包まれていた。
ぼくがパン屋に着いた頃、かあさんはY公園のブランコに一人でのっていた。
この時であった。
派手なシャツを着ているスキンヘッドの若い男が、なれなれしい態度でブランコに一人でのっているかあさんに声をかけた。
「ねえ、ひとり?」
かあさんは何も答えなかった。
スキンヘッドの男は、へらついた表情でかあさんを誘った。
「遊びに行かない?」
「やめて。」
かあさんは男をふりはらって逃げようとしたが、男に無理やりうでをつかまれた。
「ちょっと、何するのよ!!やめて。」
「遊ぼうよ。」
「やめて!!」
この時、ぼくはY公園に到着した。
「かあさん!!かあさん!!」
「たっくん。」
ぼくは、かあさんになれなれしく近づいたスキンヘッドの男の頭を激しい力を込めてジュラルミンケースで殴りつけた。
(ガツーン!!)
「痛いよ。」
「何が痛いだ!!やっつけてやる!!」
スキンヘッドの男は、その場に倒れた。
ぼくは、激しい力を込めてジュラルミンケースでスキンヘッドの男の顔を殴り付けた。
「ああ…目が…目がくらむ…」
「ぶっ殺してやる!!」
かあさんは、心の中で『たっくんもうやめて…』と叫んだ。
(ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ…ドザーッ!!ドザーッ!!)
この時、激しい雷鳴がとどろいた。
そのあと、非常に激しい雨が降り出した。
ぼくは、スキンヘッドの男をめちゃめちゃに殴りつけた
「ぼくのカノジョを犯そうとしたからぶっ殺してやる!!オドレ死ねや!!」
「たっくん…もうやめて!!」
ぼくにボコボコに殴られた男は、ヨレヨレの状態で敗走した。
この時、雨はよりし烈な音を立てて降りしきった。
公園の街灯の灯りがともり始めた時であった。
かあさんとぼくは、雨でずぶ濡れになった。
かあさんが着ている白のブラウスが黒のフィットネスTシャツに張り付いた。
ぼくも、スーツがずぶ濡れになった。
髪の毛は、ふたりとも変な髪型になった。
かあさんは、震える声でぼくに言うた。
「ねえ…ねえたっくん…どうして…どうしてあんなにひどく殴りつけたのよ…相手の人の目をつぶしてしまうとこだったのよ…たっくん…」
ぼくは、怒った声でかあさんに言うた。
「かあさんを暴漢から守るためにしたのだよ!!ああするより他になかったのだよ!!」
「たっくん。」
ぼくは、叫びながらかあさんに言うた。
「あいつは、自分の欲求を満たすことしか頭にないから目がつぶれて当然だ!!…悪いことをしたら天罰を受けるべきだ!!」
ぼくは、雨でずぶ濡れになったブラウスの上からふくよかな乳房に抱きついた。
つながっている…
かあさんが着ているブラウスのボタンは、しっかりとつながっていた。
ぼくは、安心した表情で言うた。
「ボタン…つながっていた。」
「かあさんは…大丈夫よ…」
「大丈夫じゃないよ!!」
「どうしてそんなにコウフンしているのよ!!」
ぼくは、激しい叫び声でかあさんに言うた。
「ぼくはかあさんのことが大好きなのだよ!!…大好きなかあさんを助けるためには、ああするしかなかったのだよ!!」
そのあと、ぼくはかあさんをその場に寝かせた。
「キャッ…」
ぼくは、泣きながら震える指でかあさんが着ている白のブラウスのボタンを外して開いた。
つづいて、黒のフィットネスTシャツを脱がして頭から抜き取った。
抜き取られたTシャツの中から、ふくよかな乳房を包んでいるフィットネスブラがあらわになった。
「たっくん。」
ぼくの切ない気持ちを痛感したかあさんは、震える声でぼくに言うた。
「たっくん…たっくん…ごめんね…」
ぼくは、黒のフィットネスブラの上からふくよかな乳房に抱きついて泣いた。
「たっくん…ごめんね…友泉…たっくんのこと…好き…だーいすき!!」
ぼくを抱きしめているかあさんは、ぼくに『愛してる…』と言うたあと、泣きさけんだ。
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