届けたい想い

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届けたい想い

  よちよち歩む後ろ姿――、 瞬きをすると、その小さな背中は少し大きく成長した姿を思い起こす。 右手にパパの手を、左手にママの手をぎゅと握りしめ透き通る眼差しで無邪気にほほ笑んだあの頃。  再び瞳を閉じ開いた目の前には、ハニカミながら真っ赤なランドセルを背負う娘の姿。  瞼を重ねる都度に成長してゆく時の速さを振り返ると、その時々は長くいつまでも続く時間だと感じていたが、気が付けばもう手の届かない遠い記憶。  思春期を迎え少しずつ自立してゆく、嬉しさと寂しさ。  自らが経験してきた道を歩む娘の姿を見守る中、ふと気づくのは、自らは親の目線になっている現実。    明日――、 最愛の一人娘は、主人とよく似た男性とご縁あり嫁ぐ事となりました。
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