届けたい想い

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 娘と共に豪華なディナーを口にした後、飲めないお酒をほんの一口ホテルの最上階でジャズ生演奏に酔いしれながら口にする。ふらふらとした足つきで再び部屋へ戻ると、ふと過ぎ行く時の速さを恨んでしまう。 「こんな事ならもっと子供産めば良かったなぁ。あなたがお嫁に行っても寂しくないくらい……」 「お母さんっ、約束したでしょっ。涙は明日まで我慢っ! ねっ」  いつの間にか親に説教する程立派に育った娘の言葉に、 「はぃはぃ」っと、 頬を膨らませ不貞腐れて見せる。  主人は何も言わないが、きっと心の奥では瞬きをして蘇る幼き頃の娘と逆転したな、そう思っているに違いない。
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