Yes‼Professor‼

1/1
前へ
/19ページ
次へ

Yes‼Professor‼

 「おい。あの件は進んでるだろうな?」  「はい、教授!」  「おい、次の患者は」  「はい、教授!」  「あ?俺が風邪と言って初めて風邪になるんだよ、患者が風邪だって受診してくるんじゃないよ。誰が診てやってると思ってるんだ。全く最近の患者は。様なんて呼ばせる風潮で、権利ばかり主張してきやがってクレーマーが多いのは疲れるな。おい、こないだの悪徳クレーマー処理は潰し終えてるな?」  「はい、教授‼」  「全く俺様が手術してやるだけでも有難いと思えというのがわかっとらん患者が多すぎる。ちょっとミスしたくらいで何だ。俺様が診てやってるんだから患者に権利なんかないんだよ。ちょっと遊び心起こしただけでも人権侵害だの、セクハラだ性暴力だと騒ぎ立てやがって。お前らも覚えておけよ。いいか。俺を誰だと思ってる。大学病院の教授だぞ。俺様に立てつこうなんて100年早いんだよ。どれだけ苦労して今の地位にたどり着けたと思ってるんだ。それを解ってない患者が多すぎる。患者には知識がない。患者はそんな知識も理解できない頭の悪い奴ばかりだ。インフォームドコンセントなんか知るか。説明義務やら同意確認なんか本来必要ない。ただ俺様に黙って従って切られてればいいんだ。」  「はい、教授‼」  「全く、お前らもハイ教授としか言えんのか。患者といい、物覚えの悪い奴等だ。俺の記憶力とは大違いだな。あ?また何か言ってきた奴がいるって?そんなものは記憶にございませんと言っておけ。お前らが代わりに身に覚えがございませんとの事です、とな。俺は忙しいんだ。」  「はい、教授‼」  「何?内部告発した奴が出ただと?そんな奴は口を塞いでここに居られなくなるようにしてやれ‼こっちはいくらでも警察や弁護士でもオヤジでも、丸め込める人材は揃ってるんだからな。お前らも裏切るなよ。この世界で働けないようにしてやることは簡単だ。そうしたらどうする?お前の苦労は水の泡だ。お袋さんが自慢してた我が子が失墜して収入も無くなって生活出来なくなるな。俺の権力をもってすれば指1本動かすだけでいくらでも都合の悪い事を無かった事にするのは簡単だ。自分の身が可愛かったら俺の言う事は絶対だというのはわかるだろう。あぁ?君はそこまで馬鹿じゃないな?」  「はい、教授‼」  「ん?付け届けだと?…かなり分厚い封筒だな…。受け取っておこう。この事は誰にも言うなよ。私の胸だけの事だ。お前にはびた一文やらん。言ったらどうなるか分かってるな?」  「はい、教授‼」  「次の患者様、どうぞー。今日はどうされましたか?」  ────────────  「僕の夢は、大きくなったらお医者さんになることです。パパみたいな立派なお医者さんになって、病気やケガをした人をなおしてあげるひとになることです。そしてたくさんのひとをしあわせにしたいです。」  「まぁ、よくできました。良い作文を書けましたね。パパはお医者さんなのね?凄く偉いのねぇ?確か大学教授よね。ボクもそうなりたいの?」 「いぇす、ぷろふぇっさー!!」
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加