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予定というのは、士鶴と会う約束だった。 だが銀太には、その前の寄る場所があった。 オカルト系の仲間から、確か今日はこの神社にお祓いに来ると情報を得ていた。 都内某所にある小さなお堂のような神社だが、神主が中々の霊能力を持つ除霊師だという。 その神社のお祓いは、午前と午後の2回だけだ。 多分もうそろそろ来る筈だとRZに跨り、隠れるように少し離れた場所から、境内への入り口を銀太は見つめていた。 銀太がその場所に着いて、5分もしない内にタクシーが1台境内の入り口に止まった。 助手席と後部座席の歩道側のドアが開くが、一番最初に出て来たのは運転手だった。運転手は足早にトランクに向かい、中から車椅子を出した。 そして、開いた歩道側の後部座席のドアの前に車椅子を開いて置いた。 暫くしてタクシーが去ると、車椅子に1人と他3人の男達計4人が降りて来た。皆んな包帯やギブスをしている。怪我人ばかりだった。 銀太はたすき掛けに掛けられたニコマートを取り、彼らをファインダーから見詰めたが、その左目には何も写らなかった……。 一言も話さず顔も合わせず、男達は体を引きずるように、境内の奥の神社へ向かって行った。 銀太はスマホをポケットから出して見て 「ヤバイ。そろそろ行かないと、士鶴を待たせちまう」 そう言うとRZを発進させた。
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