2、はい、私が害悪女です

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「でもさぁ、言うほど私のせい? 恩田先輩は四年生で卒業したからだし、学は元々バイトとサークルの両立が厳しいって言ってたでしょ。ゆっきー先輩は……、私のせいかな?」  気まずくなってしまった空気をどうにかするために無理に話を続けると、一花は神妙な表情を浮かべた。 「過去のことは仕方ないよ。慧とのこともね。アンタが無理矢理襲ったんじゃなければ、慧も乗り気だったんだろうし。そのあとの対応が良くないよね。誠意のかけらもない」 「そうそう、怒らせちゃったみたいなんだよね」 「当たり前でしょ。のんさぁ、控えめに言ってゴミだよ」 「ゴミかな?」 「逆の立場だったらって考えてみてよ」 「逆の立場?」 「そう。もしのんが処女で、初めてヤッた男に同じこと言われたらどう思う?」  もし、私が処女だったら……?  畳みかけるように言われた一花の言葉を受け、妄想してみる。  自分は処女で、初めての時を大事にしてたんだけど、なんとなくそういう雰囲気になって、誰かとえっちしてしまう。でもそんなに悪くなくて、付き合ってもいいかなと思ったとして。 (私たち、付き合う?) (は? 一回ヤッたぐらいで何言ってんの? 俺たち、そんな関係じゃないじゃん) (え、でも……) (事故みたいなもんだし、ノーカンで良くね? 次の男とヤッた時に処女のフリでもしとけばいいだろ)  うわ、ヤバ。ナイわ。  最低なヤリ逃げ男(女)じゃん。
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