177人が本棚に入れています
本棚に追加
11、幸せな時間ってずっと続く?
「花音先輩とこうなるって分かってたなら、今日バイト入れなかったのに」
「ん、私も。……離れたくない」
全裸で慧の上にまたがったまま慧の唇に自分の唇を押し当てると、腰を掴まれて下から思いきり突き上げられ、私はまた大きな声をあげさせられる。
昨日慧に告白してデートして、それから私の家で繋がってから丸一日くらい経ったけど、ずっとこんな感じ。軽く食べたりシャワー浴びたりはしたけど、それ以外はずっと慧とくっついてる。
自分がこんな風になっちゃうなんて意外だったけど、一秒も離れたくない。慧とずっと一緒にいたい。
そんなことを思ってても時間は容赦なく過ぎて、夕方からのバイトの時間が近づいてきていた。
もう何度目になるか分からない絶頂を同時に迎えたあと、仕方なく慧の上から降りる。ゴムの処理は慧に任せ、汗ばんだ身体をタオルで軽く拭いて服を着てから、メイクを始めた。
「花音先輩って、化粧落としてもあんまり変わらないですよね」
洗面台の前でメイクをしていると、すでに準備を終えてそれを見ていた慧と鏡の中で目が合う。
「メイクしてもしなくても同じってこと? それさぁ、けっこう失礼だよね。これでも時間かけてメイクしてるんだよ?」
メイクをしながら鏡の中の慧を軽くにらむと、後ろから手を回されて身体が密着する。
「違います。どっちも可愛いってこと」
振り向くと、すぐに唇を重ねられた。……すき。ほんとに大好き。慧が好き。
「あ〜ん、行きたくないよぉ」
ぎゅーって慧にくっつくと、慧も私を力強く抱きしめてくれる。
「バイト終わったら、またここに戻ってきてもいい?」
身体を少し離して見つめられながらそう言われて、もちろんすぐに頷く。
「うん。すぐに来てね」
もう一度ぎゅっと抱き合って、キスをしてから、ようやく私たちは家を出た。
最初のコメントを投稿しよう!