11、幸せな時間ってずっと続く?

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「あっつ……」  寝ている間は高めの温度に設定してたエアコンがいつのまにか切れていて、寝苦しさに目を覚ます。ノーブラでキャミソールと下着だけしか身につけていない身体も、微妙に汗ばんでいて気持ち悪い。  今何時かな。  ここ数日バイトに行く以外はずーっと慧と部屋でいちゃいちゃしてたから、時間の感覚がなくなってる。外はもうけっこう明るそうだけど、今日何か予定あったかな。  時間と予定を確かめようとスマホに手を伸ばしかけ、隣にいるはずの慧がいないことに気がつく。 「あれ、慧……?」  帰ったのかな。でも、何も言わずに帰るなんてそんなのある? 私、また何かやらかした?  慧がどこに行ったのか考えていたら、廊下の方から音がしてそちらに視線を向ける。しばらくしてドアを開けて部屋に入ってきた慧と目が合って、一気に力が抜けた。 「シャワー借りました。声かけようと思ったけど、よく眠ってたから起こせなくて」 「あ、うん。それはいいんだけど、帰ったのかと思ってびっくりした」  まだ髪の毛が濡れている慧がこちらに近づいてきて、エアコンをつけてから、ベッドに腰かける。   「さすがに帰る時は声かけてから帰りますよ」 「だよね。でもさ、慧怒って帰っちゃうことよくあるじゃん。たしか二回くらいあったよね?」 「あ〜……。ありましたね」  その二回とも私が慧を怒らせるようなことしたからだし、あれは帰っちゃっても仕方ないんだけど。でも、目を覚ました時に慧がいなくて一瞬不安になった。  慧"も"私のそばからいなくなっちゃったのかなって。なんか、ダメだ私……。  慧となら大丈夫だって思ったのに、好きになればなるほど不安になる。もし慧がいなくなっちゃったらどうしようって不安になる。  これじゃ、また同じことの繰り返しだよ……。
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