177人が本棚に入れています
本棚に追加
「しよ?」
「いや話の途中ですよね。はぐらかさないでもらってもいいですか」
「しないの?」
「……します」
誘うような目で見ると、くるっと体勢を変えられて慧の下に。やめろ言うわりには、誘うと乗ってくるんだよね。
クスクス笑っていると、その唇を慧の唇で塞がれた。
「言いたくないなら言わなくてもいいですけど、俺は花音先輩が好きです。多少ケンカしたりしても嫌いになることはありませんから」
「……うん」
私を見つめる慧の目が優しくて、胸が締め付けられる。
慧と一緒にいると、すごく幸せ。
ぎゅって抱きしめられると幸せ。
服を脱いで抱き合わなくても、慧にキスされると幸せ。
付き合う前よりもずっとずっと慧が好き。
どんどん好きになる。
だけど、今まで空っぽだったところにいきなり与えられた幸せが大き過ぎたのかな。なんだかその幸せに追いつめられているみたいな気分。
最初のコメントを投稿しよう!