2、はい、私が害悪女です

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「最悪、っていうか、もはや害悪?」  妄想終了した後にそうつぶやくと、一花はうんうんと大きく頷く。 「そう、それ。良かった、気づいてくれて。お願いだからちゃんとしてよ、のん。あんまりひどいと親友やめたくなるから」 「あ〜んいちかぁ〜。そんなこと言わないでよぉ〜。一花に見捨てられたら、私はどうやって生きていけばいいの〜」  テーブルに身を乗り出して一花にすがりつくと、面倒くさそうに振り払われてしまった。ひどい。 「知らん知らん。自立しろ」 「ひどっ。一花がいないと生きていけないのに〜」 「バカなこと言ってないで、とにかくアンタは慧のことをなんとかしなよ」 「慧ね〜……。あ、でもさ、慧も私が名人って言われてることとか噂とか知ってるんじゃない?」 「どうだろ、知ってるかもしれないけど……」 「だったら、そういう女なんだって慧も分かってるんじゃない?」  純真だと思ってたのに遊んでたらショックだけど、最初からそうじゃないって分かってたならそこまでショックも受けないはずだよね? と思ったんだけど、一花には信じられないものでも見るような目で見られてしまう。  あれ? また何かまずいこと言った? 「は? どっちにしても、付き合いたいって言われたんでしょ?」 「付き合いたいとは言われてないけど、まあ似たようなことは言われたよね」 「それなら、ちゃんと慧と話さなきゃ」 「ん〜」 「慧と付き合うにしても、付き合わないにしても、誠意を持って話すの。分かった?のん」 「……分かった。慧と話してみるよ」  さっきの感じだと完全にシャットアウトされてたけど、慧話してくれるかな?  あんまり気が進まないけど、一花に親友やめられるのは困る。そんなわけで、慧とちゃんと話すと約束させられてしまった。
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