11、幸せな時間ってずっと続く?

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「ごめんね。慧のことちゃんと好きだよ? でもね、もう少し様子を見たいの。上手くいくかどうか慎重に判断したい。しばらく付き合って大丈夫そうだったら、みんなに言ってもいいかなと思ってる」  何かを考え込んでいる慧の腕にもたれかかると、その腕が私の腰に回される。 「どのくらい様子見るんですか」 「とりあえず三ヶ月ぐらい?」 「それまで誰にも言わないつもりですか」 「一花にはもう言っちゃったし、サークル以外の友達か口硬そうな子なら慧も話してもいいよ」 「……。俺、隠し通す自信ないですよ」 「もしバレちゃったらその時は仕方ないよ。でも、なるべくバレないようにしよ?」  慧の顔をのぞき込むと、慧は私から視線をそらし黙り込んでしまう。 「慧?」 「分かりました。納得は出来ないけど、花音先輩が慎重に判断したいって言うのなら尊重します」 「本当? 無理してない?」 「無理してます」 「慧〜」 「だから、俺は納得出来ないって言ってるじゃないですか。でも花音先輩はそうしたいんですよね?」 「……うん。だって、考えてみてよ? みんなに知られてても上手くいってる時はいいんだけどね、別れた後に気まずくならない?」 「別れた後の話するのやめてもらっていいですか」 「ごめん」  まだ話の途中だったけど、慧がイライラしてきてるのを感じて口をつぐむ。 「そろそろ時間だし、とりあえず先出ますね。また後で」 「うん、また後でね」  話しているうちにいつのまにか時間が経っていたみたいで、チラリと時計を見ると8時半を過ぎている。  それを確認した慧は、私を引き寄せてちゅっと唇にキスをしてから部屋を出ていった。  う〜ん……、また慧のこと傷つけちゃったかなぁ。
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