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「コンビニ行ってくるね」
軽くバス酔いしながらもどうにかホテルにたどり着き、六人部屋に荷物を置いて、少ししてから席を立つ。バスから降りてだいぶマシになったけど、まだ微妙に気分が悪い。
「私も行く〜」
なんかすっきりする飲み物でも買いに行こうとしたら、同室のまゆみも追いかけてきて、一緒に行くことになった。
「今年も綺麗なことで良かったね」
「そうだね。コンビニまで遠いのがちょっとアレだけどね」
「去年もそうだったよね」
まゆみと世間話をしながら階段を降りると、ロビーのところに慧とみくちゃんがいた。お互いに軽く手を振ったりしてその場を通り過ぎる。
「慧くんとみくちゃんって仲良いよね」
「みたいだね」
ロビーから出て話しかけてきたまゆみに同意すると、まゆみは少し距離を詰めてきた。
「付き合ってるのかな?」
「え〜?どうだろね」
「授業でも一緒にいるとこみたよ」
「学部一緒だし、被ってる授業多いんじゃない? 付き合ってるのかもしれないけど」
「花音、慧くんと仲良いんだし、何か聞いてないの?」
「そういう話あんまりしないからなぁ」
「ほんと〜?」
「今度聞いてみる」
ニコっと笑顔を作ると、まゆみも納得したようで、すぐに別の話に話題がうつっていく。
今度聞いてみるも何も、慧の彼女は私なんだけどね。付き合ってること内緒にしたいって言ったのは私だけど、ものすごくやりにくい。
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