つい勢いで後輩の童貞を奪っちゃうような女ですが、こんな私でも愛してくれるんですか？

12、初恋でもないのにね

「今のうちにお風呂いく？　早めに行った方が空いてるよね」

　夕ご飯が終わってしばらく部屋でダラダラしていたけど、一花が声をかけたことでみんなお風呂に行く準備を始める。

「あ、私アレだからみんなと入れない。部屋でシャワー浴びるね」
「了解。じゃあ行ってくるね」
「いってらっしゃ〜い」

　ばいばいと一花たちに手を振ってから、一人になった部屋でゴロンと横になる。なんとなくスマホをいじっていると、慧からメッセージが来た通知が表示されたので、アプリを開きもしないでスマホをカバンにしまう。

　夕ご飯の後で慧から何度かメッセージが来ていたけど、何て返せばいいのか分からなくて全部既読スルーしちゃってる。

　こんなことしてたらどんどん気まずくなるパターンだけど、完全に返事をするタイミングを失ってしまった。ごめん、慧。

　心の中で慧に謝ってからシャワーを浴びて、それからまた畳の上で横になっていると、急に強い眠気に襲われて目を閉じる。