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「ごめん、さっきの嘘」
「嘘って。何が」
「生理なのは本当だけど、別の理由で避けてた。なんかね、まゆみに慧とみくちゃんが付き合ってるんじゃないかって言われて。色々考えてたらモヤモヤしてきて、話せなくなった」
慧の両手を握って一気に告白すると、慧は少し面食らったような顔をしてたけど、しばらくして口を開いた。
「一応言っておくけど、付き合ってないですよ。普通の友達です」
「うん、それは分かってるから大丈夫。でも慧の彼女は私なのになぁとか思っちゃって」
慧の手を握ったままうつむくと、その手を優しく外され、腰に手を回されて運転席の方に引き寄せられる。
「俺の彼女は花音先輩だけです」
「知ってる」
「付き合って一ヶ月経つし、もうみんなに言ってもいいんじゃないですか」
「う〜ん……」
「俺も同じようなこと言われるんですよね」
抱きしめられたまま話していたけど、少しだけ身体を離すと、また慧と目が合う。
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