12、初恋でもないのにね

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「同じようなことって?」 「花音先輩に男がいるのかとか、そういう」 「なるほど。そういうアレね」 「そろそろ誤魔化すのきつい。本当のこと言ったらダメなんですか」  慧からまっすぐに見つめられ、いたたまれなくなって視線を逸らす。  慧のことは大好き。  まだ一ヶ月だけど、付き合いも順調。    でも、まだ付き合いをオープンにする勇気が持てなかった。すぐ付き合ったり別れたりする軽い付き合いならみんなに知られても全く気にしなかったのに、慧とは真剣に付き合ってる分慎重になってるのかも。  今は上手くいってるけど、ずっと続く保証なんてどこにもないし、ダメになった時のことをいつも考えてしまう。なるべく傷つかないように、お互いダメージが少ないように、早めに日常に戻れるように。  考えすぎなのかもしれないけど、真剣な交際がダメになった時の傷みも、その時みんなからどういう目で見られるのかも私は知ってるから。 「慎重にいきたい?」  黙り込んでいると、慧の方から答えを誘導され、こくりと頷く。 「ごめんね、慧」 「いいですよ。花音先輩がみんなに言っても良いと思うまで待ちます」 「ありがと」  慧の背に手を回して抱きつくと、慧も私をぎゅっと抱きしめてくれる。
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