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「別にいいんだよ? 慧も他の女の子に興味あると思うし。ただね?私としては同じサークル内で同時に二人ってのはね、さすがにやめておいた方がいいんじゃないかな〜って思っただけ♡」
「さっきから何言ってるんですか。花音先輩としか付き合ってないです」
「だってさぁ、冷静に考えてみてよ。さっきの慧の発言、すっごく怪しいよ? 彼女に見せられないようなメッセージがありますって言ってるようなもんじゃん」
どっちが本命なのか知らないけどね、とニコニコで付け加えると、慧は困ったように眉を下げる。
「じゃあもう言いますけど。みくは好きな人がいるんです。それについての相談だったから、見せられないって言っただけ」
「なるほどね。好きな人本人に好きな人がいるって相談するパターンだ。よくあるよね」
「だから、何でそうなるんですか。本気で何もないって」
笑顔で追い詰めると、慧は困り果てて肩を落とす。さすがに可哀想かな? そろそろ責めるのやめようかなと思って口を開きかけたけど、私よりも先に慧が口を開いた。
「そこまで疑うなら、今ここでみくに電話して、花音先輩と付き合ってるって言ってもいいです」
「え……、それはやめときなよ。いきなりそんな電話されても、みくちゃんも迷惑だろうし」
「そうしないと信じてくれないじゃないですか。それでも納得してもらえないなら、もうみくと話しません」
「何もそこまでしなくても」
本気で浮気を疑ってたわけじゃなかったけど、なんかおかしなことになってきた。冗談で言ってるわけじゃなさそうだし、本気で実行に移しそうで怖い。
今ここでみくちゃんに電話するにしても、もうみくちゃんと話さないにしても、私すっごく怖い先輩みたいじゃん。
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