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慧のことが好きなのに、一番好きだよって堂々と言ってあげられないことがつらい。
過去にめちゃめちゃ好きな人がいたとしても、今慧のことが一番好きなら、一番好きって言ってもいいのかな。
初めても一番もあげられないなら、私は慧に何をあげたらいいの?
重々しい雰囲気に耐えられなくなり、立ち上がって服を脱ぐ。下着だけになって慧のベッドに上がると、やり過ぎってくらいに色っぽく身体をくねらせる。
「そうだなぁ〜。それじゃあ私のことをどれだけ愛してるのか、じっくり教えてもらおうかな♡ 」
大げさにベッドに誘った私を慧は呆気にとられたように見ていたけど、すぐに立ち上がってTシャツを脱ぎ捨て、ベッドに上がってきた。
「言いましたね?」
「言いましたよ?」
私に覆い被さるように手をついた慧にニヤリと笑みを浮かべると、真顔だった慧もつられたように少し笑っちゃってる。
クスクス笑っているとその唇をキスで塞がれ、キスをしたままベッドに沈められた。
「明日から大学始まるけどいいんですか」
私を押し倒したままの慧と目が合って、にっこりと笑いかける。
「何が? 寝ないつもりなの?」
「そっちが誘ってきたんだろ」
「私はどれだけ好きなのか教えてって言っただけだも〜ん。やだぁ、何する気? こわ〜い♡」
演技がかったような口調でそう言うと、呆れたように笑われちゃった。
「本当にどうしようもない人ですよね」
「そんな私が好きでしょ?」
下から慧の首に手を伸ばして引き寄せると、慧もそのまま顔を近づける。
「うん」
私の頭の横に慧の手が置かれ、すぐに唇を重ねられた。唇が離れると、私の上にいる慧とまた目が合う。
「慧って私のこと大好きだよね」
「だからそう言ってるじゃないですか」
「そういうとこ好きだよ」
誘うとすぐに乗ってくれて、素直で可愛くて、すっごいちょろい。
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