13、どうすればいいのか分からないんです

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「ねぇ一花、」  やたらスマホばっかり見ている一花が気になって、何気なく一花のスマホの画面を見る。 「いっちゃん、昨日はありがとう。すごく楽しかったよ。まさかいっちゃんがデートOKしてくれるとは———」 「! か、勝手に見ないでよ」  画面に表示されていたメッセージを読み上げると、一花はあわてて画面を隠す。その横顔はほんのり赤い。んん? 「え、何デートって。聞いてないんだけど」 「言おうと思ったけど、アンタが慧とばっかりいちゃついてたから話す暇なかったの」 「何でよ〜。電話でもメッセージでもしてくれたらよかったじゃん。一花のためならいつでも時間作るのに。言ってよ〜」  誰とデートしたのか知らないけど、話してもらえなかったことがちょっとショックでむくれていると、一花はそんな私を横目で見る。   「ごめんって。急に決まったしさ。まだ付き合ってるわけじゃないから」 「まだってことはこれから付き合う可能性あるってこと〜?」 「それはまだ分からないけど。一回デートしただけだし、どうなるか分からない」 「で? 誰? 私の知ってる人?」 「慧と同じ経済学部だから、たぶんのんは知らないと思う。バイト先が同じなの」 「経済か、じゃあ知らないかな。写真とかないの?」 「ない」  考える素振りもなく、即答されてしまってちょっと凹む。どんな人か知りたいのに〜。
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