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「今まではしなかったんですけど、この前連絡してこないでって言われた時の慧くんが真に迫ってたので。花音先輩のこと、すっごく好きなんだなぁと思ったんです」
「そ、そうなんだ?」
「はい。ベタ惚れって感じですよね」
慧が私のことを好きでいてくれてるのは知ってるけど、人からそういう話を聞かされると恥ずかしいものがある。
みくちゃんにここまで言うってことは本気で二人の間には何もなかったんだろうし、慧に申し訳ないことしたかな……。疑ってたわけじゃないけど、この前のあの態度は良くなかったよね。
「そっか。色々教えてくれてありがとうね、みくちゃん」
自分のとった態度を反省していると、みくちゃんにぎゅっと両手を掴まれる。
「いいえ〜、私の方こそすみませんでした。
でも花音先輩でも嫉妬したりするんですね。いつもニコニコしてて優しいので、怒ったりしないと思ってました。なんか親近感湧いちゃいましたぁ」
「えへへ……」
恥ずかしくなって曖昧に笑って誤魔化すと、みくちゃんはますます嬉しそうな顔をする。
「先輩って可愛い人ですよね。慧くんが好きになるの分かります」
「え〜私みくちゃんに口説かれてるのかなぁ?」
「ふふ。先輩見てると口説きたくなっちゃいます」
「ねぇ〜何言ってるの。その勢いで雅史くんも口説いちゃえ」
「雅史くんは無理ですよぉ。あ、でも、今度の学祭で一緒に回ろうって誘ってみるつもりです」
「わ、そうなんだ。がんばってね。応援する〜!」
「ありがとうございます。花音先輩は慧くんと回らないんですか?」
手を繋いだまままったりと話していたけど、みくちゃんの一言で固まってしまった。
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