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「そういえば誘われてないなぁ」
「そうなんですかぁ!? 内緒で付き合ってるからですかね?」
「たぶんそうかな」
一緒に回りたいと思ってくれてるのかは分からないけど、私が内緒にしたいって言ってるから誘ってこないのもあるのかな。
「でも内緒にしておけるってすごいですよね。私だったら、彼氏が出来たらすぐに言いたくなっちゃいます」
みくちゃんには感心したようにそう言われたけど、素直で可愛いみくちゃんを見ていると胸に重たいものが広がっていく。
みくちゃんは周りの目とか気にしないで誘えて、一緒に回ることも出来る。
そう思うと、私は慧に色んなことを我慢させてるのかな。慧もたぶんみくちゃんみたいにオープンにしたい人だよね。内緒にしたくないって言われたし……。
私もみくちゃんを見習って、もう少しがんばってみようかなぁ。
「そうだよね。私も一緒に回ろうって慧を誘ってみようかな」
「わぁ〜きっと喜びますよ」
いきなり交際宣言するのはまだ出来ないけど、まずは学祭一緒に回るとこから始めてみよう。
思いついたことを呟くと、みくちゃんは自分のことのように喜んでくれる。いい子なんだよね、みくちゃん。雅史くんと上手くいくといいなぁ。
「そうだといいけど」
「絶対そうですよ! ライブも成功させましょうね!」
そんなことを話しているうちに長話になってしまい、他の人がトイレに入ってくるまでみくちゃんと話し込んでしまった。
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