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「指輪つけてたら、声かけてくる男も減るかもしれないじゃないですか」
「さっきの人たちのこと言ってる? そこまで頻繁に声かけられる方じゃないし、ちゃんと断るから大丈夫だよ」
「さっきの人たちのこともありますけど、クラスの人とかバイトとかサークルとかゼミの人とか、男はたくさんいますよね」
「ん〜? うん。いるけど、でもそんな……」
慧と付き合ってからは飲み会もほとんどいってないし、男の子とも二人で遊んでないし、誰かとどうこうなることなんてないんだけどな。
「こんなに可愛い人がいたら、みんな付き合いたがるに決まってる」
口説いてくる人もいないよ、と言おうとしたら、慧が大真面目にそんなことを言ってくるのでちょっと笑ってしまった。
「私と真面目に付き合いたがる人なんて、慧くらいしかいないよ」
「そんなことないです。自分がどれだけ可愛くて魅力的か、鏡を見てください」
「ねぇ〜さっきから何言ってるの? 可愛いのは否定しないけど、慧が言うほどじゃないって。ちょっとおかしいよ?」
「おかしいの俺ですか?」
「うん」
あまりにも持ち上げてくるのでなんだか笑えてきたけど、慧は納得できていなさそうな表情を浮かべている。
慧はモデル級の美女みたいな勢いで私を可愛い可愛いっていつも言ってくれるけど、実際そこまでじゃないと思う。言ってしまえば、中の上。良くて上の下?
私がモテるのって、手が届かないほどの美人じゃないけどそこそこ可愛くて胸が大きくて、それでいて頭軽そうで簡単にヤレそうだからだと思うし。
夜遊びしなくなった今、慧が心配するようなことは特に何もないんだけどなぁ。
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