3、どうしようもない女でごめんなさい

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「すっごい楽しかった〜。まだまだ話し足りな〜い」 「俺も」  深夜2時。明日も学校だし、さすがに帰ろうかということになって、私のアパートまでの道を磯川くんと手を繋ぎ、笑い合いながら帰る。  正直あっきーが帰ったら気まずくなるかと思ったけど、全くそんなこともなく時間が足りないぐらいだった。すっごくすっごく楽しかった。  アパートの前までついてもなんとなく離れがたくって、そこでそのまま喋ってたけど、夜中にこんなとこでいつまでも喋ってると近所迷惑になるよね。 「もう遅いし、そろそろ帰るね。今日はありがとう」 「うん、またバイトで」  名残惜しかったけど、繋いでいた手を離し、背を向ける。少しだけ歩いてから振り返ると、磯川くんも私の方をじっと見つめていた。  目が合った瞬間、何かが込み上げてきて、気がついたら彼の方に駆け寄り、お互いに吸い寄せられるように唇を重ねる。    あ〜、やっちゃった。でももう無理、我慢出来ない。  私よりだいぶ背の高い彼の首に手を回し、柔らかい唇を重ね、舌を絡み合わせる。 「部屋に入っちゃダメ?」 「ん、いいよ。きて」  至近距離で頷き、磯川くんの手を引いてエレベーターに駆け込む。
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