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「そうだ。言おうと思ってたんだけど、慧さ、みくちゃんに連絡してこないでなんて言ったの? そんなこと言わなくて良かったのに」
「花音先輩が嫌がるから」
「嫌がってないよ。ただちょっと気になっただけ。なんかさぁ、私すっごい嫉妬深くて重くて面倒くさい女みたいじゃん。普通に今まで通り連絡していいよ?」
そんなことを話しながら歩いていると、慧はそれを聞いて足を止める。
「重くも面倒くさくもないから大丈夫です。
俺の方こそ無神経だったと思って反省してます。彼女なんだから、嫌なことあったら何でも言ってください」
「何でも?」
「うん。俺にも出来ることと出来ないことがあるけど、別れるとかそういうの以外なら大抵のことは出来ると思うから」
じっと目を見つめられ、ちょっと恥ずかしくなって視線を逸らす。なんだろう、嬉しいんだけど、胸の辺りがムズムズして恥ずかしくなる。
でもそっか、言ってもいいんだ。
そうやって言ってもらえるのは嬉しいけど、なんか何でもしてもらいすぎな気がしてきた。
「すごく嬉しいんだけど、なんか申し訳ない気がする」
「何が?」
「慧は私のために色々してくれるけど、私は慧に迷惑しかかけてない気がするし」
うつむきながらそんなことを言ってると、「そんなことないですよ」って言われて顔を上げる。
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