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振り向くと、そこにいたのは興奮したように瞳を輝かせるみくちゃんだった。
「花音先輩っ、聞いてください」
「何?どした?」
「さっき雅史くんに番号聞いたら教えてもらえたんです」
嬉しそうにそんな報告をされ、一花と顔を見合わせる。
「まだ交換してなかったのね……。でも教えてくれて良かったじゃん」
そこから?と言いたそうにしながらも、祝福してあげた一花にみくちゃんはこくこくと頷く。
「良かったね、みくちゃん。私も嬉しい」
「ありがとうございますっ。花音先輩たちも上手くいってるみたいで何よりです。昼間会いましたよね」
「うちはダメだよ、もう別れるかも。あそこで浮気してるし」
「わあ〜本当ですね。花音先輩みたいな可愛い彼女がいるのに浮気するなんてサイテーですね」
「昼間は私のことが大好きだって言ってくれたのに、もう他の女といちゃついてるからね。そんなもんだよね、人間なんて。みくちゃんも気をつけて」
「はいっ、気をつけますね」
悪ノリして泣き真似をすると、お酒を飲んでいないはずのみくちゃんまでそれに付き合ってくれて、そんな私たちを一花が呆れたように見ていた。
「何言ってんの。彼女の目の前で堂々と浮気する馬鹿がどこにいるのよ。浮気するにしてももう少し上手くやるでしょ」
若干イラッとしながらもおふざけでそんなことを話していると、まりか先輩が引き気味の慧に抱きついていて。こちらにまで聞こえるぐらいの大きな声で何かを訴えている。
「私とキスするか、雅史とキスするか選んで!!」
何でそうなるかなぁ。
ああもうダメだ、さすがに限界。
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