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「みんなの前ではっきり言ってくれて嬉しかった」
「ああしなきゃ本当にキスしそうな勢いだったし」
慧と見つめ合って話してたけど、思い出したらちょっとムカついてきた。
「だから、しないって」
「本当に〜?」
口を尖らせて慧の首に手を回すと、後頭部に手を回されてちゅっと唇を重ねられる。
「本当に。俺は花音先輩のものです」
慧に言葉を返す前にまた唇を重ねられ、今度は口の中に慧の舌が入ってきた。その舌に自分の舌を絡ませたけど、やっぱり酔ってるのか少し苦しくなる。でも、しあわせ。
「すき」
キスの合間にどうにかそう告げると、さらに強く抱きしめられる。
「俺も好き」
「私も慧のものだよ」
慧の目を見つめてそう言うと、慧はもう何も言わずに唇を重ねてきた。
外からも中からも酔っぱらいたちの声が聞こえてきて、ロマンティックとは程遠い状況だったけど、何も気にならない。
頭の中にあるのは、ただ今与えられている慧のキスだけ。それ以外のものは、何も気にならなかった。
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