15、幸せな未来を夢見てもいい?

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「二年も付き合ってたのに、よくキスだけで我慢できたね」 「親が家にいたから。バイト禁止の高校だったから金もなくて、どっか泊まったりも出来なかったし」 「なるほどね〜。でも好きだったんだ?」 「付き合ってた時は」 「何がきっかけで付き合うことになったの? どっちから告白した?」 「答えてもいいですけど、そんな話本当に知りたいですか?」  慧が何か言う前に次々に質問していたけど、慧はあんまり答えたくなさそうにしている。 「うん、知りたい」  居心地が悪そうにしている慧の目をじっと見つめると、小さく息をついてから口を開いた。 「一年の時に二人で学級委員してた時に話すようになったんだけど、二年になってまた同じクラスになって向こうから告白されて付き合い始めました」 「えっ、慧が学級委員!?」 「変ですか」 「あ、ううん、ごめんね。ちょっと驚いたけど、変じゃないよ」  学級委員ってタイプに見えなかったらびっくりしちゃったけど、付き合う前にも私の面倒とか色々見てくれてたし、友達の相談にも乗ってあげてるみたいだし、これで案外面倒見がいいからね。学級委員やっててもおかしくはないのかも。  学級委員やってたかどうかよりも、今は彼女の話だ。
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