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「ただいま〜……」
必要なものを買って戻ってくると、玄関を開けた途端に美味しそうな匂いが漂ってくる。キッチンを通ると洗い物はすっかり片付いていて、ドアを開けてリビングに入ると、テーブルの上にはチキンもローストビーフもスープもサラダも全部置かれていた。
「おかえり。買えた?」
「買えたけど、まだ一時間も経ってないのにもう全部出来たの?」
「うん」
「あ〜んもう何でそんな手際いいの? 自信なくす〜」
「いいから早くコート脱いで手洗ってきて。腹減った」
「あ、はい」
家事下手を嘆いてみても彼氏が超絶塩対応だったので、とりあえず言われた通りに手を洗ってコートを脱いで、買ってきた荷物をその辺に置く。
料理の置かれたテーブルの前に座って、いただきますをしてから食べ始めたけど、どれもおいしく作れている。やっぱり慧に作ってもらって正解だったのかも。私が作ってたら、こうはいかないだろうし。そもそも完成したかどうかさえあやしい。
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