15、幸せな未来を夢見てもいい?

11/19

176人が本棚に入れています
本棚に追加
/226ページ
「ただいま〜……」  必要なものを買って戻ってくると、玄関を開けた途端に美味しそうな匂いが漂ってくる。キッチンを通ると洗い物はすっかり片付いていて、ドアを開けてリビングに入ると、テーブルの上にはチキンもローストビーフもスープもサラダも全部置かれていた。 「おかえり。買えた?」 「買えたけど、まだ一時間も経ってないのにもう全部出来たの?」 「うん」 「あ〜んもう何でそんな手際いいの? 自信なくす〜」 「いいから早くコート脱いで手洗ってきて。腹減った」 「あ、はい」  家事下手を嘆いてみても彼氏が超絶塩対応だったので、とりあえず言われた通りに手を洗ってコートを脱いで、買ってきた荷物をその辺に置く。  料理の置かれたテーブルの前に座って、いただきますをしてから食べ始めたけど、どれもおいしく作れている。やっぱり慧に作ってもらって正解だったのかも。私が作ってたら、こうはいかないだろうし。そもそも完成したかどうかさえあやしい。
/226ページ

最初のコメントを投稿しよう!

176人が本棚に入れています
本棚に追加